音楽は薬、金属音は天との交信に古代から使われた音?! <2>    ~京都の耳の旅・京都の不思議な薬効とは?~

土居好江

妙心寺 梵鐘

 「文化とは人間をつくる装置である」とのマルローの言葉通り、京文化の源流になっている自然や、その自然を最大限生かした伝統産業は、京都の暮らし根付き京文化を築いてきました。、千年の知的遺産を生かした暮らしを京都で体験することこそ、究極の文化体験と言えます。

 しかも、平安時代に当時の人々が耳で聴いたと思われる音も、現在の京都で聞くことができるのです。妙心寺の梵鐘は日本で最初につくられたもので、奈良時代698年まで遡ります。地獄で苦しむ衆生の苦しみを和らげる力があると言われていました。

 この金属音が祇園祭などに用いられて、今日まで継承されている理由でしょうか。よくわかりませんでが、東京在住の方で、20年以上何末年始を京都に宿泊してお正月をお迎えになる方を存じ上げています。やはり、京都の除夜の鐘をつくことで、リセットできるからでしょうか。

 平安時代に鋳造された梵鐘が京都には32体も遺されていると報告があります。(梵鐘研究所)は『延喜式』によると、この梵鐘や太鼓が京の人々に時刻を知らせていました。現在の時報のようなものです。

 音には周波数があり、身体や心を癒す音もあれば、不安にさせる音もあります。モーツアルトは自然の音をそのまま音符にしたと言われてが、その楽譜はほとんど手直しがなかったそうです。

 京都では花見小路の辺りを歩けば、三味線の音が聞こえていますし、西陣に行けば機織り機の音が聞こえてきます。近年はすっかり減りましたが、和菓子屋さんの前を通ると小豆の炊いている音と匂いが漂っています。残念なことに自社で小豆を炊いているお店は3~4社とお聞きしていてます。時代の変化を感じます。

 かつて、京すずめ学校で市比賣神社の宮司・故飛騨邦富氏(ひだくにとみ)に京都御苑の閑院宮様の屋敷跡で雅楽を演奏してくださいました。笛等高価なものをご持参くださり、「これ1本でベンツが買えます」と申され驚きましたが、最後に「今日は閑院宮で演奏できて、宮様もさぞかし、お喜びでしょう」と申されたのが、とても印象的でした。あぁ、音も継承できるのだと、痛感した瞬間でした。

 自然との周波数と合わせることで、人間が自然の中の一員として共生(ともいき)ができると言われ、432Hz(人が幸せになる周波数) の音が人々を癒してくれることを

 ピアニストの辻井伸行さんはスタインウェイを弾いて教えて下さっています。スタインウエインしか弾かれないそうです。周波数を分かっておられるのでしょうか。

 ソルフェジオ周波数の心身へのプラスの影響は、研究者のレオナルド・G・ホロウィッツが提唱したことで一躍話題になりました。

 特に528Hzをはじめとする特定の周波数の音階は、DNAの修復を促すなどパワフルな愛の周波数とされています。 人体は「音という振動」に確実に共鳴するため、ソルフェジオ周波数の振動が物理的に近いところで常に鳴っているのが一番好ましいそうです。京都の音も人にやさしい音が寺社仏閣や祭から響いてくるでしょう。音探しの旅もたのしそうですね。
以上

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