音楽は薬 Ⅲ 京言葉は音楽?!

 土居好江

 「座持ち」という言葉が京都にはあります。その場の空気を読んで、雰囲気を和らげるのです。特に花街では、この座持ちがおもてなしの基本とされています。京言葉は「おおきに」という言葉の意味はyesともnoとも両方の意味を持つもので、その場その場で意味合いが異なります。角をたてずにお断りする時の常套句ですが、その場の雰囲気は和やかになります。でも、この意味が分かる方は、本当に少ないのです。

  京都生まれで京都育ちの私でも、この会話はyesなのかnoなのか、判らない時があり、高度な判断を迫られた時がありました。ストレートにモノ申すより、オブラートに包んで話す習慣が京都にはあります。これが都の風習、文化なのでしょうか。奥深い会話は特別難しいことではなくて、人間関係の濃淡やビジネスかプライベートと区別されますが、京都で商いをするには人間力が必要です。

  日本語は特殊な言語で、 自然の音に近く 200〜1500Hzの音帯であり、英語は2千〜1.2万Hz と、自然音とは乖離しています。 日本語は母音子音全てに意味があり 子音は母音を反映し、 一文字一文字に全て意味があるのです。 丁寧に正しく日本語を発する事は 自らに自然界の良い周波数を取り入れられるそうです。

  京言葉は音楽のようなテンポがあります。「おおきに」「お蔭さんで」「よろしゅうおたの申します」「そうどすか」「ほんまどすね」等々‥‥。

  随分昔のことですが、ある老舗の女将さんにお電話をして、お願いごとをしました。その時、お話が終わった時、「おおきに」と申されたのが、とても嬉しくてテンポが良くて耳に残っています。京言葉を音楽のように感じた瞬間でした。

  言葉の内容よりも響きが大事なのが京言葉です。はんなりとほんわかとした言葉の響きを、もっと大切にして私はお話をしたいと思う今日この頃です。

以上

Pocket