京都の引力32 オーバーツーリズムの要因はオーバーコンセントレーション(過度な集中)Ⅱ ~ 清水寺、嵐山、伏見稲荷、分散観光は魅力発信力で効果的に~

2026年1月23日撮影
河原町通四条上 ドン・キホーテ
土居好江
百貨店はどうでしょうか。日本の売り上げトツプの三越伊勢丹ホールディングスは売上高(連結)は約5,555億円(2025年3月期(2024年度)、前年比3.6%増、営業利益は763億円(同40.4%増)と増収増益を達成しました。伊勢丹新宿本店は総額売上高で初めて4,000億円を突破し、訪日客の消費が大きく貢献していますが、高級路線の百貨店には、ドン・キホーテのごちゃごちゃの店舗づくりではなく、スッキリと高級品が並んでいます。 海外の方々にはこのごちゃごちゃが好印象なのです。
私はドン・キホーテの営業戦略をみて、この御座候とロンドン焼きを思い出しました。
関西の百貨店には、どこにでもある実演販売の回転焼き・御座候は、東京の百貨店では、現在、東武百貨店池袋店だけが営業しているようです。実演販売には手焼きの美味しさと優しさがあり、いつも行列ができています。東京では実演販売の店舗は1ヶ所だけで、東京の方々はスパーマーケットで、冷凍の回転焼を買うそうです。
年末年始に帰省した娘が、伊勢丹京都店で御座候の行列を見て残念そうに語っていました。「東京では焼きたての御座候が食べられないので、食通の方から、時々冷凍の回転焼を頂く」とのこと。フランス在住歴30年のフランス人と日本人のご夫妻から、いつも美味しい手作りのお食事を頂くそうです。
京都では、新京極四条を上がったところにある、ロンドン焼きというカステラ饅頭があり、それを子供の頃によく買ってもらいました。この店ではロンドン焼が出来上がる機械が回っている様子をみることができ、子供時代の楽しみでした。ロンドン焼は現在では伊勢丹京都店や阪急梅田店でも販売されています。もちろん、新京極本店でも変わらずに販売されています。
京都の台所と言われた錦市場は、今や、インバウンド用の市場に姿を変えています。きゅうりの漬物を串にさして食べ歩き用に販売されていたり、伝統的な寿司屋さんがインバウンドに特化した寿司店となったり、英語表示の店舗も増えています。
時代が変わっても、守りたいことがあります。かつては京都の台所と呼ばれた錦市場が、今やインバウンドの台所です。おせちも作る時代から買うに時代になり、錦市場の豆屋さんやかまぼこ屋さんが閉店しました。時代と共に変化するのは仕方ありませんが、変化を感受して再構築する生き残り作戦を店舗と消費者、市場がつくることも大事なことです。
錦市場に買い物に行って、京都人のアイデンティティを思い出すことも多々あります。昔からの食材に触れることで、スーパーで買い物をするのとは、異なった気持ちになります。
京都市は2030年までに、「オーバーツーリズムゼロ宣言」を目標に掲げていますが、ゼロではなく、共存の政策を具体化することを願っています。訪日までに、京都観光の分散化できるような広報活動を海外でJNTO(日本政府観光局)と協力して進める事をご提案します。京すずめからも提案していきたいと思います。
以上