京都の引力29 オーバーツーリズムの要因はオーバーコンセントレーション(過度な集中) ~ 清水寺、嵐山、伏見稲荷、分散観光は魅力発信力の違いか~
土居好江



イタリア・ローマのトレヴィの泉が2月1日からモニュメントに最も近い場所の入場が有料になるそうです。観光客と非居住者は2ユー(JPY370)の入場券を購入しなければなりません。
入場券は毎日午前9時から午後10時まで必要となります。ローマ市民、5歳までの子供、障がい者と介護者は引き続き無料です。ローマの噴水で一番有名なトレヴィの泉は様々な映画や恋人たちが訪れた恋人の噴水でもあります。
昭和世代にはオードリーペップバーンが「ローマの休日」の撮影現場となったおなじみの場所です。真実の口やスペイン広場が印象的です。世界の三大観光地といわれるフランス、イタリア、アメリカはコロナ禍以降、急速に観光客が増えています。
日本も京都市の東山・清水寺周辺と嵐山地域に人が集中しています。この原稿を書いている1月8日、京都市営地下鉄の事故で地下鉄が一時止まっていて、河原町五条へ出かけた帰りの市バスは超混雑していました。
清水寺周辺の店舗もレンタル着物屋さんが増えて、以前の落ち着いた雰囲気は全く感じられません。市バスの乗客はほとんどが観光客でした。レンタル着物を着た外国人やスーツケースを持った方々で混雑していました。
京都市長は市民優先価格を打ち出して、2027年から実施できるように準備中とのことで、市民の期待が高まります。2024年6月から「観光特急バス」も走行していて、少しは緩和されているようです。
20年ほど前の清水寺の駐車場から東大路までの徒歩なら5分の道を、観光バスで45分かかったことがありました。信号が変わって前に進めなかったのです。
最近の経済雑誌や様々な記事を拝見していると、おおざっぱな数ではなく、観光客の入洛数を正確に把握する必要があるという記事に目が留まります。2024年の日本人国内旅行者数(延べ人数)が5億3995万人で、インバウンド(訪日外国人)は3687万人でした。京都ではインバウンドの方が多く見受けられますが。日本全体のインバウンドの割合は、わずか6.4%です。
日本政府は2030 年までの5か年計画について、6000 万人・15 兆円を目標しにていますが、
京都の2024年のインバウンドの1人当たり消費額は7万8346円。日本人は2万3355円です。老舗の方々もインバウンドで店が繁盛していることを自覚しておられます。英語のメニュー表がそれを物語っています。
観光庁の「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2024 年 年次報告書」には、2024年 訪日外国人旅行消費額8兆1,257億円とあります。
また、消費額の多い国・地域は中国、台湾 、韓国、 米国、5番目に香港が掲載されています。この 上位5カ国・地域で、訪日外国人旅行消費額全体の65.7%を占めているのです。京都で東南アジアの方々をよく見かけたはずです。
2024年 のインバウンド一般客1人当たり旅行支出 22.7 万円、国籍・地域別にみると、韓国10.9万 円、台湾18.8万円、香港24.9万円、 中国27.7万円、米国33.2万円となっていました。
京都にとっては、大切なお客様ですが、今後の対応は市民も含めて考えてみましょう。(次号へつづく)