山崎家おくどさん修復工事ご報告Ⅲ(2023年5月7日) ~熱に強い土、弱い土とは?~
土居好江
基礎ができあがり、その上にもともと互があった場所に戻す作業
半月前に練って発酵させた土 |
微妙に厚さが異なるので、土で調節する |
瓦を水洗いして戻す |
2023年5月7日に山崎家の修復工事現場にお邪魔しました。基礎を補強が出来、その上に、修復前のおくどさんの上側に乗せてあった瓦を元の位置に戻していくことが本日の作業でした。
その瓦も水で洗い流して埃を取り除きます。土の密着度を強固にするため、埃は大敵です。昔の人は瓦や土を上手に使いこなしていました。瓦が雨漏りするようになると、その瓦をおくどさんの基礎部分に使い回ししました。瓦をおくどさんに使うことで、使用頻度に耐えられるようになります。全体を覆う土も藁を入れて発酵させることによって強度が高まります。ちょうど暑すぎず寒くない5月は、発酵に良い時期だそうで、半月前に練って発酵させていたものが、写真の土です。
おくどさんで火を入れると煙がでます。煙が煤となっておくどさんを痛めるので、煙がおくどさんの内部に入り込まないよう、土で遮断できるように塗り詰めます。瓦と土が密着していないと、そこに煤が入り込んで耐用年数を減らすからです。煤を遮断する為に土に藁を入れて発酵させたものを使う理由だそうです。
また、火に強い土は水でこねると固まりやすく、火に弱い土は固まる力が弱いそうです。土にもいろいろな性質があることを教えて頂きました。毎回、新しい発見と古くからの智恵・職人技と心意気に満ちた宮奥淳司氏から学ばせて頂きました。
以上