祇園祭の7月

祇園祭の間だけ扉が開く御手洗井(みたらいい)と大政所(おおまんどころ)御旅所(隠れた名所)                                  土居好江

八坂神社石塔に刻まれている社紋 2023年7月20日撮影

東大路から八坂神社の階段を登る石柱

   7月の祇園祭の期間中は八坂神社の氏子区内では、キュウリを食さない方もおられます。それは八坂神社の社紋がきゅうりに似ているからです。八坂神社の主祭神は牛頭天皇で、牛頭天皇はきゅうりが大好物だったそうです。水分の多いキュウリは五穀豊穣にも通じます。キュウリの原産地はインドのヒマラヤ山麓で中国を経由して日本に渡来しました。キュウリに似ているのも、キュウリが好物であることも腑に落ちますね。

  八坂神社の社紋は2つあります。神社に紋が二つ有る場合、一つは神様の御紋であり、もう一つは神社の御紋だということだそうです。八坂神社の神紋は三つ巴、社紋がキュウリになります。

祇園祭の期間だけ扉が開く御手洗井(みたらいい) 2023年7月20撮影

大政所御旅所の扉も祇園祭期間中だけ開く
撮影2023年7月20日

  祇園祭の期間中の四条界隈は祇園祭由来の名所が点在しています。いつもは扉が閉まっている御手洗井(みたらいい)も14日から24日まで扉が開けられます。普段は手洗井の中には入れないのですが、この期間だけ名水を頂戴できます。

  何故、祇園祭の期間だけ名水を頂けるのかは織田信長の命によるものです。信長が御旅所を移した時、御旅所の水が名水であることを知り、祇園祭の期間だけ、井戸を開放するようにとの命が、現在も守られているのです。生きた歴史を感じるエピソードですね。烏丸通錦を上がった場所ですから、是非お尋ねください。

信長に纏わる祇園祭の歴史は他にもあり、本能寺の変の5日御の祇園祭は、その年の11月に延期されて実施されています。近年もコロナ禍で山鉾巡行が3年も中止となりました。

 

  また、新町四条を下がったごはん処・矢尾定では、大船鉾の車輪が納められていて、鉾が建つ間は空になりますが、車輪を拝見することができます。また、すべての山鉾の粽が1階の店舗壁にかざられてあり、鉾を組み立てる縄や、鉾が角を曲がる時に使う竹も飾ってあります。京町家で京料理を頂きながら、お楽しみ頂けます。

大船鉾の車輪が納められているごはん処矢尾定の店舗2022年7月24日撮影

大船鉾が直角に曲がる時に使用される竹 縄だけで組み立てられる鉾の縄
ごはん処矢尾定に展示(通年展示、2023年7月22日撮影

ごはん処矢尾定1階に飾られている全ての山鉾の粽 2023年7月22日撮影

地下鉄四条駅南出口エレベーター前に展示している祇園祭山鉾の車輪

神輿還幸祭烏丸通仏光寺下がった大政所前
撮影2023年7月24日17時40分

  7月24日は夕刻から神輿還幸祭がありました。八坂神社石段下では三基の神輿が集結をして、祇園祭の最後を飾る行事で、エネルギーが爆発するような勢いがまわりを圧倒させます。今年は現場にいくことはできませんでしたが、この神輿が、祇園祭のルーツであると思っています。
以上

 

Pocket