沖縄返還時にかかわった京都の老舗ご当主・西澤弥一郎氏
祝 ! 沖縄返還から50年 Ⅱ
沖縄返還時にかかわった京都の老舗ご当主・西澤弥一郎氏 土居好江
西澤弥一郎氏作成の昭和13年京都大博覧会のポスター京都市都市計画課ポスター(昭和25年)
沖縄県章を作成した西澤弥一郎氏は現在の京都市立芸大の卒業生ですが、日本の画壇に大きな影響を与えた画伯は、京都市立芸術大学の出身者も多く、京すずめでお世話になっている浜田泰介画伯も、京都市立芸術大学の出身者です。入学試験で、「どんな画家になりたいか」と尋ねられて「ここに座っている先生方を超える画家になりたい」とおこたえになったことを、随分昔にお聞きしました。入学試験の折にこういう対応ができる京都の大学の懐の深さと大きさに感動したことを覚えています。
こんな自由な雰囲気と京都の伝統的な雰囲気が融合されて、京都の美意識と伝統が出来上がっています。西澤弥一郎氏の斬新なデザインも、実は伝統に裏打ちされた先進性なのでしょう。
釖菱弥(けんびしや)の第11代目としての元禄3年(1690年)からの伝統と感性が醸し出した当主の想いは、弥一郎氏から第12代、第13代へ受け継がれています。
着物の図柄は伝統的にいろいろな意味があります。戦国時代に武将が羽織の裏地にトンボの絵柄を染めて着用していたようです。トンボが勝ち虫だからです。トンボは時速80~100キロメートルで飛ぶそうです。こういう虫の特徴と図柄が融合してきた歴史
が京都には潜在的にあります。呉服業界の方々は本質を良くご存知で、伝統に裏打ちされた先進性をお持ちのようです。これが京都の特徴でもあります。
上記のご紹介したポスターも昭和10年代、25年の時のものと思えないほど斬新です。西澤弥一郎氏の先見性、普遍性に脱帽です。
以上