山火事のロスの友人から届いた現況と美山の放水装置

 土居好江

2025年1月10日 ロスから送られてきた火事の様子

美山町かやぶきの里一斉放水訓練 美山町 放水装置          祇園石段下 いづ重の桶 2023年11月1日撮影

 ロサンゼルスの友人から火事のお見舞いメールをお送りしましたら、何回もメールを頂戴しました。友人の自宅はEaton Fireが1番近くて要警戒地域ですが、避難勧告は出ていないようで、ここ2日で避難勧告地域外でしたが、勤務先がギリギリ避難勧告地域外です。(添付写真1の地図のアニマルシェルターの向かいにあるそうです)

 患者さんで家や職場を失った話を聞いておられ、同僚で避難中の人もいるとか、今週の火曜日、一日中暴風が凄くて、仕事から怖々運転して帰られたそうです。夕方6時半にPasadena に住む同僚からまるで火山が噴火しているように見える写真が送られて来ました。家の前から撮られた写真が上の写真です、彼女たち一家はその晩に避難所へ行かれたそうです。

 友人は先週の水曜日、朝が明けると家の中なのに煙たい匂いで起きて、ニュースを見ると火事が広がっていたそうです。外はもっと煙が凄くて、車のフロントガラスがススで曇っていました。一応朝出勤されましたが、緊急で閉院する事になったそうです。臨場感が伝わるメールでしたが、久しぶりに近況報告もできました。1500億ドルの被害額が、想定されていて驚きです。壊滅的な過去最大の火事の被害が想定されています。

 このロス山火事、1万2千棟を超える被害がでています。 全力で消火に向かっても鎮火に至らないだけでなく、次々に火の手が上がり、放火の便乗犯がでているそうです。その上、強奪まで起こっているようです。

 消火栓から水が出ないとのこと、その時、京都府南丹市美山町を思い浮かべました。美山町には江戸時代にできたかやぶきの家が、現在も39軒も現存しています。かやぶきの家は木材と茅でできているので、もし出火すると飛び火してしまう可能性があります。町全体が消失するリスク管理のため、毎年春秋に一斉放水の訓練があります。

 日本は水が豊富ですから、衣食住に渡り恵まれています。ロスの友人は京すずめ創立の時の理事を務めて下さった京都ご出身の同志です。日本とアメリカという文化の違う国で、帰国の折には様々な様子を聞かせてくださいます。

 日本文化や歴史が自然の猛威をリスク管理するようなシステムが構築されています。

 江戸時代の火消し装束が和紙を縫い込んで藍染めの木綿をキルティングしている実物を羽織ったことがありますが、藍は火に燃えない染料であり、和紙も水を含ませて火消しをすると人間を守ります。老舗のお寿司屋さんでも火事の折の手桶があります。ロスの山火事から、いろいろなことを思い浮かべました。

 12日には、家も職場の辺りも警戒地域から解除されたようで、「鎮火にはまだまだですが、良い方向へ進んでいるようです。今週末はゆっくりと寝てのんびりしたい」とありました。

 世界中でいろいろなことが起っていますが、平安を祈り、友人の無事を祈るのみです。また、日本人の暮らしの智恵が今後も注目されることでしょう。 

以上

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