第五回おくどさんサミット を開催しました 1 ~山﨑家おくどさん修復工事完成披露記念~
土居好江
「こんなに美味しいご飯、食べたことない」、「ここには神様がおられるのかと思うほど、清々しい空気が漂っている」と参加者がつぶやき、「美味しい、美味しい」とご飯のおかわりが続きました。
おくどさんサミットも5回を数え、ご参加の皆様も楽しんでくださいました。今回は山﨑家のおくどさん修復工事完成披露記念ということで、修復を担当した宮奥淳司さん(おくどさん未来衆)の報告が写真と動画を使って講演して頂きました。国宝や重要文化財の修復を左官頭領として担当されています。また、全国のおくどさんの修復にも飛び回っておられる方です。山﨑家おくどさんの修復工事の詳細は京すずめのHPでアップする予定です。
今年の新米は夏の猛暑で、新米ではなく、昨年の米を使いました。水と空気の綺麗な田んぼで育った米です。火入れ式には、祇園祭の山鉾・大船鉾の縄を頂いていたので、それを使わせて頂きました。新米ではないでの少し水の量を多めに炊飯職人飯米衛さんが工夫して、炊飯中も何度も音を火吹き棒で聴きながら火の加減を調整して炊き上げました。
最近はIHやオール電化で火を見ない生活が進んでいます。火を見ない子どもたちは、火を怖がります。火と遠い生活をしていると、本来の火の意味が分からなくなるのではないでしょうか。
だし巻や柚子味噌、奈良漬け、塩昆布、梅干しなどに布巾をかぶせいましたが、木綿は煤の臭いを吸収して、洗剤と重曹で何回も擦りながら洗いました。おくどさんを使用していた方々は洗濯も大変だったことでしょう。
ナマモノが腐るのを、火によって煮炊きし、自然の領域から文化の領域に入っていくと言います。火を使い始めてからの人類の脳は、容量が1000㎖以上に大きくなりました。生ものしか食べられなかった人類は、焼く「調理」や煮炊きができることで、栄養が豊富になり、脳の発達も一層進んだと言われています。
火の大切さや本来の火の意味を学校教育でも教えられる工夫ができないものかと思います。明年は「おくどさん子ども衆」を結成したいと計画しております。おくどさんにご関心のあるお子様。どうぞ、お越しください。
以上