クリスマスツリーとベツレヘムの星

土居好江

ホテルオークラ京都ロビー2023年12月7日撮影                             

   クリスマスツリーがあちこちで飾られています。みなさんはクリスマスツリーの一番上に星がついているのをご存知でしょうか。私は最近まで気がつきませんでした。京すずめのスタッフから教えられました。

   イエスキリストがベツレヘムで生まれた時、東の方で誰も今までみたことがないような星が西の空に見えました。星は人の誕生や失墜を表わすと信じられていました。東方の三博士(メルキオール・バルタザール・カスパール)はユダヤ人の翁であるイエスキリストが生まれたことを、この西の空に輝く星から知って、その方向に旅をしました。

   ベツレヘムのへの道を進み、星が導いている下をみるとマリアに抱かれてイエスを見つけたというのです。星が導く、星によって導かれることを表現する為に、クリスマスツリーの一番上に星をつけます。この星は五芒星(星型五角形)に決まっています。ツリーの飾りで一番大事な飾りです。何故なら、イエスキリストの誕生のシンボルだからです。

   イギリス王室が18848年にウインザー城のなかで、クリスマスツリーを囲んだ写真を公開しました。その時、ツリーの頂上に星のかわりに天使を飾りました。その後、星だけでなく、天使も飾られるようになったようです。皆様のクリスマスツリーは如何でしょうか。日本の歴史と同じように、王室や皇室からブームが起こるのですね、

   サンタクロースの歴史も興味深いものがあります。紀元前4世紀、現在のトルコに実在した人物がモデルです。「聖(セント)ニコラウス」という「子どもの守護神」と仰がれていた聖人がモデルです。両親を若くして亡くして両親の遺産を神の喜ぶ方法で使うと決めて、貧しい人々にプレゼントを続けました。

   ある貧困な家庭の父親が娘を売ろうとしていたことを聞きつけ、夜にこっそりと窓から金貨を投げ入れました。そのお金で2人の娘を無事に嫁がせて、感謝したそうです。3人目の娘の為に、3回目の金貨を投げ入れたところ、暖炉横に干してあった靴下に金貨が入り、ニコラウスを「あ!」と思わず叫んだそうです。父親はニコラウスに心から感謝しまし。ニコラスは「このことは他の人には秘密にしておいてほしい」とお願いしました。この伝説から、クリスマスプレゼントを靴下に入れるようになったと言われています。

   また、ニコラウスからの贈り物を受け取らないので、煙突から金貨をなげいれたところ、暖炉にほしていあった靴下に入ってしまったという説もあります。

   このニコラウスの伝説はヨーロッパからNew Yorkに伝わり、オランダ語だった「Santa Kiaas」(セント・クラウス)がアメリカで訛り「Santa Claus」(サンタ クロース)となったものです。

   日本でも明治時代(1900年)に銀座の明治屋がクリスマスツリーやイルミネーションを飾り、ニュースになりました。帝国ホテル等でも神楽等日本的な出し物で、宗教的なものとはかけ離れた行事として定着していきました。明治43年には不二家がクリスマスケーキを発売しました

   大正時代に子ども向け雑誌に12月号の特集としてクリスマスにまつわるお話が掲載されるようになり、東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンがイベントを行い2000年前後に広く知られるようになりました。

   京都で初めてクリスマスケーキを販売した店舗は、よくわかりませんでしたが、明治40年に創業した京都最古の洋菓子店・村上開進堂が洋菓子として販売していた可能性がありますが、確証は得られませんでした。

以上

 

 

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