山﨑家おくどさん修復工事のご報告 ~山﨑家おくどさん修復工事が完成し、蘇りました!~

 土居好江

最終日におくどさん工事を担当した7人衆 3月から修復工事を担当した宮奥淳司氏

お釜さんが水平になるよう調整  全員で作業

最後の仕上げの上塗り

落款を宮奥さんが押して見届ける

   2023年10月28日午前9時より、山崎家おくどさん修復工事の最終作業が始まりました。最初に、おくどさんにお神酒と塩をお供えして、無事に終了できることを全員で合掌して祈り、作業が始まりました。七つ口のおくどさんを七人の左官職人さんが全国から集まり宮奥さん中心に作業がスタートです。

 2023年3月かららはじまった修復工事は、10月28日に仕上げの作業となりました。これで完成です。夏の間、発酵させた土壁を最後の仕上げに使います。最初に塗った土壁が水を吸い、ほどよい感触が得られれば、更に二度目の下塗りをして、ほぼほぼ土壁が乾いた感触を職人さんが確かめます。発酵度合が異なるので土壁の色が少し違います。お釜の鉄の輪が水平であることも確認して、作業は進められました。

 昼食を取り、最後に白壁を丁寧に塗る作業です。塗った後、更に水分の抜け具合を手の感触で確認して、一番美しく仕上がる瞬間にタイミング良く、コテで2~5ミリ押し付けて、仕上げていきます。すると、土壁に艶がでてきたのです。驚きでした。人間の手の感触、眼での確認、フィーリングと職人の勘が冴える職人技の仕事を間近で拝見させて頂きました。機械では出来えない仕事の内容に、日本のおくどさんが土と水と太陽の光で発酵させた、自然のエネルギーを凝縮させた素晴らしいものであることを再確認した一日でした。

 9時間のドラマが長年の経験とフィーリングの集約で終わりました。お手間入りのおくどさん修復工事に乾杯!
以上

Pocket