名水の新名所 祇園石段下・京寿司のいづ重  ~おくどさんで炊くお米とお揚げさん~

土居好江

  リニューアルした京寿司・いづ重店舗から湧き出たご神水・力水

煙突がついた新しいおくどさんで米とお揚げさんを炊く

    一年あまりかけて新装改築工事中だった京寿司・いづ重さん が今年3月から営業されています。創業以来120年の間、おくどさんで、お米とお揚げさんを炊いておられて、その味には定評があります。

     先日、やっとお伺いすることができ、新しい井戸水とお寿司を頂戴しました。この祇園周辺は江戸時代は川であったようで、その川に石を埋めて、人々が住みやすいようにされていたそうです。

    縄文時代は東大路通から寺町の700メールの間が鴨川で、その間を流れていた暴れ川でした。江戸時代初期に現在の寺町の場所に八坂神社の鳥居がある絵図を拝見したことがあります。土地の履歴は掘ればわかるのですが、とても興味深いものですね。

    今回のいず重さんの改装では、敷地から出土した石も新店舗の柱の敷石に使い、旧店舗の木材等も全て新店舗に活かされています。そのためか今回改装の店舗は、とても落ち着きます。庭にあった1744年建築の蔵もそのまま保存されています。

    店舗は室町時代をイメージした店づくりをされたと大将からお聞きしました。とても落ち着きます。また、いづ重の敷地で井戸を掘ると、とても良い名水が湧きで出て、力水と名付けられました。八坂神社の宮司・野村明義氏が就任されて、初めて湧き出たご神水となりました。店舗に入ると、だれでも利用できるようになっていますので、是非とも名水を汲んでお持ち帰りくださいと、大将も仰っています。有難いことです。

    八坂神社は山の神様、海の神様をお祀りしているので、海の珍味、山の珍味を使った寿司がいづ重のメニューにあります。鯖寿司は有名ですが、その他、いろいろなメニューがあり、海藻巻は7種類の海藻を巻き寿司にしている私の大好きなメニューです。
以上

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