古代エジプト展からⅡ
今も変わらぬ女性のネックレスのへの想い
円盤型ビーズとガラスのビーズ護符のついた約3千年前のネックレス(右)
ロータス花弁型ペンダントの3500年前のネックレス(左)
右の写真はホテルオークラ粟田山荘の7月の前菜で食した蘇民将来の御札を添えたもの
6月27日で終了したエジプト京都展で、印象深い展示品が、3500年前頃のネックレスでした。2つのネックレスは日常的に身に着けられていたもので、守護的な機能を持つ護符で、女神や猫、ザクロの花で構成されています。また、死者のために棺に納められたので、死者をも見守ったと思われます。日常的に身に着けていたことから、住居跡からもお墓からも出土されています。
古代エジプトで装飾品が多く出土されるのは、お墓に埋葬されていたからですが、女性の装飾品に対するあこがれは、永遠のようです。日常的に、身に着けるネックレスも、お守りのような意味があったのでしょう。
京都にはお守りのルーツと言われる八坂神社の蘇民将来(そみんしょうらい)書かれた御札を料理の器にも添える風習があり、7月の料亭のお皿には、良く見かけられます。京都に住む住人にとっては、7月は鱧月、祇園祭の月だからです。
本年の祇園祭も山鉾の巡行はなく、徒歩の制限された人数でのお祭となりました。八坂神社の護符はお守りのルーツといわれています。奈良時代につくられた備後国風土記逸文に八坂神社のスサノヲノミコトが南海を旅された時、蘇民招来がおもてなしをしたことで、「蘇民招来の子孫なり」と唱えながら茅の輪をくぐる夏越の祓のように、守られるという伝統も京都では受け継がれています。
お守りを腰につけることで病にかからないと言われ、木を八角に削って授与するようになったようです。災厄を払い、疫病を除いて、福を招く神として信仰されています。今年も祇園祭の粽の授与が始まりました。