京都で非日常を 愛されるホテルの経営戦略・料理旅館白梅とヒルトン

土居好江


料理旅館 白梅

ROKU KYOTO ,LXR

ヒルトン・ガーデン・イン
京都四条烏丸の竹で編んだ照明

京都では当たり前でも、他地域では、そうでないことがあります。京都の老舗の皆さんは、この当たり前をよくご存じで、他より前に出すぎないことを心得て、商いをされています。他の地域では、如何でしょうか。

トリップアドバイザーで京都の旅館、ホテル、宿泊業で連続 10年以上、旅館部門のトップが料理旅館白梅です。2022年も日本一に、アジアで15位にランキングされています。(トラベラーズチョイス ベスト・オブ・ザベスト)白梅の女将さん・奥田朋子さんは「旅館は宿泊業ではありません。非日常の場を提供する施設です」と仰っています。

旅館は、元お茶屋を3つ繋いで工夫された魅力的な空間に、女将さんの細やかなおもてなしに、ほっこりとゆったりした雰囲気が漂っているのです。本来の京都のゆったりした気分を味わえます。

お部屋に通された時、ほっこりするのは何故なのでしょうか、きっとウエルカムの気持ちがお部屋に充満しているのでしょう。訪れた方々は皆さん、このように感じておられます。そんなに豪華ではない室礼も居心地が良いのです。

京都人にとっては当たり前でも、海外や他地域から見れば、異次元のことがあります。

この異次元を京都で当たり前のように体験するのが旅館だと申されます。洛中のまちなみがどんどん変わって、京都らしい京町家の屋根が見えなくなってきたことを悲しく思っています。高層ビルの屋上からご確認なさると、よくわかります。

そんな中、2階の窓から見える景色に昔の京都があるのが、白梅です。景色をボーと見ていると何故か穏やかになるのは、私だけでしょうか。

話は変わりますが、京都にはヒルトン系列のホテルが、2023年1月現在2つあります。来年2024年4月にもう一つ京都に誕生します。ROKU KYOTO ,LXR Hotels&Resortsとヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸(HGI)です。ヒルトン・ガーデン・インは日本初上陸です。そして2024年4月に誕生するヒルトン京都は河原町三条にオープン予定です。

2つのホテルにお伺いさせて頂きました。私は京都在住なので、レストランにお伺いし、ROKU KYOTO ,LXR昨年と昨年11月に開業したヒルトン・ガーデン・イン今年1月に楽しんで参りました。

ヒルトンは1963年に日本へ進出した外資系の老舗で、日本人になじみの深いブランドです。世界122の国・地域に6700店(100万室)以上のホテルを展開しています。日本では「ヒルトン」ブランドを中心に約20店舗があります。京都にオープンしたホテルに、とても関心を持っていました。期待通りで、とても満足できる時間を過ごさせて頂きました。

コロナ禍でも沖縄や京都、長崎で開業し、10ホテルを新たにオープンさせています。日本のホテル業界とは異った経営戦略を取っています。

京都では新規出店のホテルが減少する傾向にあり、土地高騰などの理由もあり、廃業や売却する宿泊業者もあります。長期戦略のヒルトンとは、異なっています。インバウンドも早期に回復するという読みでの開業でしょう。

ヒルトンはホテル業とは「部屋貸し業ではなく、地元の魅力や文化を発信したい」とスタッフからお聞きしました。

また、地元の関係者と協力して歴史や文化、食べ物などの観光資源を開拓、発信するホテルです。部屋貸しだけではなく、地元の魅力を発信したいという意欲をスタッフからお聞きして、嬉しく思いました。
以上

 

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