1万円の観光税(宿泊税)は高いのか、安いのか≪11≫ ~観光税(宿泊税)の使い道・おこしやすプログラムの創設と新たな観光のご提案 観光図書館(library cafe)の創設を(Welcome Program) ~

土居好江

 京都は1074年間もの長きに渡り天皇のお住まいがありました。延暦13年(794年)に桓武天皇が京都に都を移し、平安京は地脈・水脈・龍脈をいかしたまちづくりを行いました。現在は世界的な観光都市となっています。龍脈を活かした風水都市は、千年の都を地政学的にも、地勢・地形も平安な地相をなしていると判断され、遷都が決断されたのです。ですから、京都人の心の拠り所は御所にありました。

  比叡山の頂上から、想像上の神・青龍がふっと息を吐いて、一番良い気の溜まった場所が千本丸太町でした。桓武天皇は、この千本丸太町に最初のお住まいを置かれたのです。 

「山河襟帯にして、自然に城を作す。この形勝によりて、新号を制すべし。よろしく山背国を改めて、山城国をなすべし。また子来の民、謳歌の輩、異口同辞し、号して平安京という」『日本紀略』(延暦13年11月8日)

 千年間、京都人は平安時代の太政官符にある「御所を見下ろす場所に家を建ててはいけない」を守り。心の拠り所として受け継がれてきました。ロンドンではセントポール大聖堂をどこからでも見えるように、1938年に高さ制限をしました。まちや人にとって、何が大切かという意志が明確です。

 京都のまちは、入洛する方々に癒しとエネルギーを与えます。

 京すずめ創立の折に「そこに居るだけでこころが豊かになり、それがエネルギーに変わるまち・京都」と定義しました。24年経った今も、この定義は変わりません。むしろ、京都まちがそのものが、人々にエネルギーを与えるまちであることを再確認しています。

 京都は皮膚から本物の何かを吸収して人間的にも成長し、知性と感性を同時に磨く最も相応しいまちであるからだと思っています。人間のDNAはまだまだ活用できます。本物に触れ続けることで、意識と脳に、本物が発するオーラーとエネルギーがDNAに届き、本物に共鳴できるように導かれます。

 まさに休眠遺伝子を活性化するようなシステムが京都のまち全体で機能しているように思います。1074年間の都であった歴史は、日本の文化のアンテナとして発信し続けてきました。

 豊かさの定義が21世紀に入り、変わろうとしている今、古代の叡智と最先端のテクノロジーと自然が融合した新たな時代こそ、京都の出番であり、京都がその先頭に立って人類の進化の扉を拓く役割があると痛感しています。

 京すずめの役割もここにあると信じて活動を進めて参りました。心の成長こそが、量子物理学的にもキーポイントであると考えています。その心を整える意識を育ててくれる京都へのアプローチを観光図書館の開設とコンシュルジュの設置で推進できるのではないでしょうか。

 

観光税の使い道

 日本には観光図書館(旅の図書館)が1978年(昭和53年)に創設され、「観光文化資料館」(1999年)に「旅の図書館」に名称変更され利用されています。 

 私もお招きを受けて講演をさせて頂いたことがございます。「旅の図書館セミナー」だったと記憶しております。私が講演させて頂いた時には立ち見ができて、椅子を追加されて質疑応答が長引いて、盛り上がりました。京都についてのご関心が高いことに感銘を受けました。地元京都にも、観光図書館を是非とも設置して、図書館司書兼コンシュルジュは日英の言語で、図書も英語版を置いて、世界中の方々に利用していただけるよう希望したします。

(次号につづく)

 

 

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