稲刈りの季節・お米の国日本 「いただきます」と「ご馳走様でした」
土居好江
『料理指南書』提重
『嘉賀美能加和(かがみのかわ)宝船』五条天満宮 日本最古の宝舟のルーツは簡素な舟に稲一束 |
神代文字 |
水の結晶『水からの伝言』江本勝 |
秋は稲刈りの季節。通勤途中で、田んぼの前を通るのが楽しい時季です。独特の臭いがするのです。日本はお米の国で日本人は、ご飯粒を昔は菩薩、神様と呼んで、粗末にしてはいけないと教えました。一粒ひと粒が尊いと子どもの頃は教わりました。
日本人には米 昔はご飯粒を菩薩とよび粗末にしてはならないと教わりました。
子どもの頃から、将来はパン屋さんになると決めていたほど、パンが好きでした。一年間米粒を食さなかった時、母は「非国民」と厳しく申しました。「古古米が余っているのに、小麦粉を食べるなんて」と言われたことを思い出します。今は米食派で、玄米を食しています。朝も味噌汁をつくり、和食が多いです。
和食の「和』」は、のぎへんに口 稲を口にする民族、穀物や米を主食とする民族である事を字が示しています。稲とは命根につながり、人の命をつなぐ根元とされ、稲にまさる宝は他にないとされてきました。
五条天満宮に伝わる稲の宝舟は稲を一束置いた簡素なものですが、日本の宝舟のルーツでもあります。五条天神宮の祭神・少彦名命(すくなひこなのみこと)が神王の命を受けて、高天原(たかまがはら)から出雲の国に降りられた時に乗られた天の御田地(みたから)船の稲穂が七福神に転じたと言い伝えられています。
五条天神宮の宝船図由緒略記によると、絵図の右上朱印の「神如加持」とは、中央の丸い朱印は神話時代の九文字で「テイヨクへりホミイ」と読み、意味は不明も祈りのことばとされています。この神話時代の文字は、天皇が治める神代の文字で、後世のひらがな文字の基になったと言われ、聖徳太子の時代に漢字が用いられるようになってからは使われなくなりました。
現在、この神代文字を読み解くことは専門家しかできませんが、日本語の不思議さを感じることが多いこの頃です。
英語に訳せない「いただきます」」ご馳走様でした」は日本語独特の言葉です。「いただきます」は「あなたの命を私の命にいただきます」という感謝の気持ちを表します。「ご馳走様でした」は走り回って食材を確保した方々、食材を料理した方、その食材を栽培した方々に、感謝の気持ちを込めて食事を終えた時に申します。
現在は物流システムが進み、コンビニやデパート、スーパーマーケットで何でも買うことができますのが、この感謝の気持ちで食事を頂くと、栄養の吸収もアップするのではないでしょうか。
水の研究をされていた江本勝さんはネガティヴな感情は水の結晶化を妨げ、ポジティブな感情は水を美しい六角形の形に発達させると『水からの伝言』に記されています。
1999年に出版された時、友人が本を購入して教えて下さいました。その時の感動は今も続いています。
人間の身体の70%は水分で出来ています。ですから、いつも「有難う」と自分自身にも声をかけるのです。つまり、自分を「馬鹿」否定したら、自分が壊れるということになります。「いただきます」も「ご馳走様でした」も日本独特の言い回しであり、すごい哲学性のあるものです。
以上