日本人のお米のこだわり ~美味しいお米とは~

土居好江
 

驚きました。米穀店にお伺いして、お米についてお話をお聞きして参りました。八代目義兵衛米穀店の革命児ぶりには驚きました。「本当に美味しいお米とはなにか」を追求する米穀店に8月初旬、お伺いさせて頂き、常識とは程遠いブランド戦略が確立されていたのです。

お米屋さんは「こしひかり」とか、「あきたこまち」等のブランドで購入するものと思い込んでいましたが、そうではありませんでした。米を目利きして、「この田んぼのこのお米」と毎年試食をして購入する米を決められるそうです。このこと自体が革命的です。全国の産地をご自分の目で天候、出来具合などを確認し吟味されたお米を繊細にブレンドして、のど越し、白さ、つや、香り、甘さ、粘り、触感など、すべてを堪能できるように精米されます。

 江戸時代の寛政の改革が行われた1787年創業の老舗米穀店で、月間200トンの米を扱い、お米の価値を新たに見いだして極上の米を追求し続ける姿勢に脱帽です。

毎年、同じ生産者から購入するのが、通例ですが、八代目義兵衛さんは、そうではありませんでした。当主が試食して米を目利きして毎年決められるとのこと。大変な作業であり、鋭い感覚を持ち続けていないと、目利きはできません。

京都は目利きのまちではありますが、「米料亭」という言葉を作り出し、米の美味しさを訴え、若い世代に支持されていることは嬉しいことです。「米料亭」も商標登録されていて、米を主食としてきた日本人の遺伝子をくすぐります。もちもちした食感は食さないとわからないものです。

お米は冷蔵庫の野菜室で保管して、お米の研ぎもお米をにぎっては離すを40回して1時間冷蔵庫で浸水し、早炊きモードで炊くと美味しいということです。お米にストレスがかからないように、冷蔵庫で1時間の浸水が大切とお伺いして、早速試してみました。普段、何気ないことですが、ちょっとした工夫で美味しいご飯を頂きたいものです。

京すずめのスタッフにも、稲作・炊飯を経験していた者、おくどさん未来衆のメンバーからも美味しいお米については、お米自体50%、炊飯方法50%との話も聞いております。日本の田は、棚田が多いですが、この田で取れたお米が美味しい、収穫は満月を過ぎたころに収穫したお米が美味しい、天日干しの期間等のファクターも加味されるようです。古代から受け継がれてきた美味しいお米つくりのノウハウがあったのだと思います。燃料もお米が子供だとすると、親である藁を燃料に炊飯した竈(おくどさん、へっつい)(分類としては南京くど、西洋くど)で炊いたご飯が最高だと聞いております。燃料に関しては、黄な粉も親木で炙って、石臼で引いたもの、カナダのメープルシロップも親木のカエデを燃料に煮詰めて凝縮したものが最高とされています。

以上

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