京都市内にある重要文化財の大学学舎 ~龍谷大学大宮学舎~

土居好江

北黌(ほっこう)

本幹 

守衛所(重要文化財)
2024年2月28日撮影

    大学のまち・京都には重要文化財・登録有形文化財の学舎が沢山あります。京都大学をはじめ龍谷大学、同志社大学、大谷大学など、学舎を拝見するだけでも、明治時代の雰囲気を、お楽しみ頂けます。

   京都市内には37の大学、短大があり、全国一の大学のまちとして、学生数も13万6千人が学んでいます。京都市内の人口の約一割の方が大学生ということになります。神社仏閣だけでなく、大学学舎も文化財が数多くあるのは、京都ならではです。

   龍谷大学大宮学舎に代表される明治12年建築の洋風建築群は伝統の木造造りを洋風に作る大工さんの努力が感じられます。木造の柱に石が張り付けられています。明治の西洋建築の多くが大学学舎に現存していることは、明治維新後の京都が、教育によって再興を目指していたことを示しています。

龍谷大学大宮学舎
  龍谷大学は1639(寛永16)年に西本願寺境内で創設された学寮を起源とした龍谷大学の発祥の地が現在の大宮キャンパスです。

   1879(明治12)年に竣工した大宮キャンパスのシンボル的建物は、国の重要文化財に指定されています。創建当時の建物群がほぼ完全なカタチで残っているのは、明治の建築物としては、とても珍しいことです。平成9年に、気品あるたたずまいをそのままに、大改修をされました。1階の展覧室では学芸員をめざす学生たちが、展覧会などを開催します。

   北黌(ほっこう)と南黌(なんこう)は、白亜の美しい壁とアーチ型に連なる洋風の窓が優雅な建築物です。本館と同じ1879(明治12)年に竣工された歴史的な建物で、重要文化財に指定されています。夜にはライトアップされ、白亜の壁が幻想的に輝きます。

旧守衛所(重要文化財)
   本館や北黌・南黌と同じく国の重要文化財に指定されている建物で、昔は守衛所として利用されていましたが、現在は龍谷大学のオリジナルグッズを展示するエリアになっています。2月28日にお伺いした時は閉鎖中でした。

大宮図書館
   人文科学系の図書を中心に約68万冊を所蔵。中でも真宗・仏教・史学・文学に関するコレクションは、質・量共に日本有数を誇ります。「万葉集」の歌を春夏秋冬・天地・山水などの題材によって再編集した平安末期写本『類聚古集』(国宝)をはじめ『解体新書』(初版本)等、歴史的資料などを多数揃える貴重な書の宝庫です。

   現在も文学部の学生さんが授業を受けている現役の学舎です。堀川七条の京都駅の近くですので、是非、見学をお勧めいたします。

以上

 

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