京都の引力 Ⅰ
土居好江
2025年1月29日撮影
京都タワー
「♬なのにあなたは京都へ行くの
京都の町は それほどいいの
この私の 愛よりも
静かによりそい やさしく見つめ
「愛する人」と私を呼んだ
なのにあなたは京都へ行くの♬」
昭和世代には懐かしい「チェリッシュ」の曲 が急に頭に湧いてきました。1971年9月にチェリッシュのデビュー曲としてリリースされ、京都への想いを際立たせた歌詞で注目を浴びました。
恋人を置いて、京都へ行くと言う歌詞は、その後も、京都の引力を見せつけたものでした。ちょうど、その6年前、1965年に「女ひとり」がリリースされヒットしました。
「♬京都大原三千院、
恋に就かれた女が一人♬」
という失恋の歌が、1965年にデュークエイセスが歌い大ヒットした「女ひとり」です。大原はこの曲で一躍有名となりました。失恋した女性のことを歌っていて、当時の雑誌『anan』、『non-no』では京都特集の場所に沢山登場していました。
1970年代、国鉄(現JR)のディスカバー・ジャパンキャンペーンは、旅行の需要が拡大しました。また、ほぼ同時期に、創刊されました。アンノン(anan non)と呼ばれた若い女性が京都を回遊していたのを覚えています。
当時、JRを利用していた私は、このディスカバー・ジャパンの大きなポスターが新しいもの張り替えられると、お古を毎回頂戴して収集していました。ポスターは時代を映す媒体なので、酒造メーカーの大正時代のポスターも収集していて、海外の友人が欲しいと、差し上げたこともあります。ヨーロッパでは、日本の古いポスターが人気だそうです。
京都はインバウンドでも大人気です。阪急電鉄で毎日、通勤していますが、関空や伊丹からの海外からの観光客が、沢山乗車されています。四条烏丸のエレベーターには、ホテルからチェックアウトした海外の方々が、大きな荷物を抱えて次の訪問地へ行かれます。
海外からのお客様は、地元京都市民が食する地元のレストランで食したいと申されます。京都の暮らしを垣間見たいとの要望があるようです。そういう気持ちも、京都の引力なのでしょうか。観光地化した京都より、普段の京都に魅力を感じるのです。もう一度、チェリッシュの歌詞を口ずさんでみました。
♬私の髪に 口づけをして
「かわいいやつ」と私に言った
なのにあなたは京都へ行くの
京都の町は それほどいいの
この私の 愛よりも
静かによりそい やさしく見つめ
「愛する人」と私を呼んだ
なのにあなたは京都へ行くの
京都の町は それほどいいの
この私の 愛よりも
燃える腕で だきしめて
「とわの愛」を私に誓った
なのにあなたは京都へ行くの
京都の町は それほどいいの
この私の 愛よりも・・・・・・
この私の 愛よりも・・・・・・
ルルルルル・・・・♬
以上