1万円の観光税(宿泊税)は高いのか、安いのか≪6≫ ~観光税(宿泊税)の使い道・おこしやすプログラムの創設と新たな観光のご提案 (ベンチャー産業と観光の融合)の創設を(Welcome Program) ~
北山磨き丸太は600年前のベンチャー産業の先駆け事例
~菩提の滝の砂の砥粉の発掘。スーパースポットであり、
自然の中に見出す京都ベンチャーにルーツ~
土居好江
菩提の滝 絵葉書より
『古都』(川端康成)には京都の四季折々の自然や祭、行事に対する鋭い視点がいくつも描かれていて、特に北山中川地区にある北山杉を磨く菩提の砂のことが書かれています。
「菩提の滝」は今から六百年前、山の中で全国を修行している高僧が、現在の京都市北区北山中川地区の集落で行き倒れになりました。村人の懸命な約6ヶ月間にわたる看病で完治しました。
村人に伝わる話では、「中河村はお米が採れないのに、長い間、こんなにもご親切にして頂き、有難うございました。何かお礼をしたいのですが、何も差し上げるものがなくて、なんのお礼もできません。そのかわりに良いことを教えましょう。この村にある菩提の滝の砂には、どこにもない珍しいパワーのある砂があります。この砂を使って、この杉丸太を磨けば、必ず、この村は栄えるでしょう」と伝えたのです。
菩提の滝後方の赤砂山に降った雨が流れて滝つぼにおちた砂は、花崗岩が風化した砂の真砂工という砂です。土だけではなく何か強い力があると感じて、高僧は「菩提の滝」と名付けました。
この高僧は大地と対話ができた方だと推察されます。太古の日本人は自然と対話できる能力があったようです。その土地の持つエネルギーを読み取り、その土地にあった農業や自然のリズムと調和した在り方にも直観力と実行力で進化させてきました。
(次号につづく)