鳥居は何故赤いのか?~日本とユダヤの歴史的共通項?!~
鳥居
松尾大社の鳥居 |
稲荷大社の千本鳥居 |
野々宮神社の黒木鳥居 |
豊受大神社(京都府福知山市) |
蚕の社の三本鳥居 |
鳥居については、延暦23年(804)に「皇大神宮儀式帳」に、日本初の記述がありますが、明確に何故赤いのかという確定できる文献はありません。
「皇大神宮儀式帳」京都大学付属図書館所蔵 |
伊勢神宮鳥居 |
これは伊勢神宮の最古の古典となります。伊勢神宮や出雲大社は白木の鳥居で朱色ではありません。京都の野々宮神社は黒木の皮のついたままの鳥居です。これは『万葉集』に 「あをによし 奈良の山なる 黒木もち 造れる室(むろ)は座(ま)せどあかぬかも」と聖武天皇の和歌に「庶民の家は皮つきの木で家が造られていて、リラックスできる」と詠みました。これが黒木鳥居に繋がるかどうかは、わかりませんが、白木鳥居と黒木鳥居についての文献になります。
五穀豊穣神を祈る稲荷神社は鳥居が朱色です。最近、人気が急上昇した金運招福の御金神社(みかねじんじゃ)は鳥居を金色に変えました。洛中の住宅街にある神社ですが、こういうご時世を反映して、参拝者はうなぎ上りです。
神社の宮司さんに「鳥居は何故赤いのか」とお聞きしてもそれぞれのお考えがあって統一的なものはないようです。ただ、朱色が災いを除ける魔除けの色としてあることは共通しています。また、「火、土を生ず」という視点から土を生じる火の象徴の色、朱色を用いるとお答え頂いた宮司さんもおられます。
古代ユダヤの行事で「過越(すぎこし)祭」というのがあります。日本での新年の祭にあたります。この過越祭はモーセの「エジプト脱出事件」(BC1290年)にルーツがあり、鳥居もこの事件にルーツがあると言い伝えられています。旧約聖書の「出エジプト記」では3500年前、エジプト人の奴隷であったユダヤの先祖がエジプトを脱出する時、神はエジプト中の初子を殺したのですが、モーセはエジプト王ファラオにヘブライ奴隷集団脱走の時に、玄関の2本の柱と鴨井に羊の血を塗らせて、殺戮の天使が通り過ぎるまで、家の中で待つように指示をしました。鴨井と柱が赤いと難を逃れたというのです。
過越の儀式と呼ばれるもものです。これが鳥居のルーツではないかと言い伝えられています。また、この殺戮の天使が通り過ぎる7日間は、普段に食しているふっくらしたパンではなく、種無しパン(マッツオ)を食します。これはおそらく、日本の鏡餅にあたると思われます。よく似た風習で驚くばかりです。日本の新年も門松を飾りますが、まるで、鴨井と柱赤くしたことが、門松としめ縄に発展していったようです。共通項に驚くばかりです。
以上