鏡餅の思い出

子どもの頃から臼で搗く餅は、家族分を父と私で搗いていました。実は握力もある体育会系女子でした。当然、我が家の鏡餅は自家製でしたが、いつ頃からか、餅つき機のお世話になっていました。

鏡餅には、思い出が沢山あります。京すずめの創立のメンバーで、創立時に大学生だったタマエちゃんが、アメリカ人のマイケルに嫁ぐ時の御祝いに鏡餅を贈ったことです。  

もう15年程前のことです。何年も使用可能な布製の鏡餅です。へぎもついた本格的なカタチの鏡餅を持って、アメリカへ嫁ぎました。新年に歳神様をアメリカでも日本のしきたりにならい、彼らの家にお迎えしていることでしょう。

コロナ禍でなかなか日本に帰国できませんが、遠くアメリカで暮らしていても、日本の伝統や風習を忘れずに、守ってくれています。京都では1月15日に鏡開きをするところが多く、お正月にお迎えした歳神様を、お送りするということが鏡開きでもあります。神様にお供えした鏡餅のお下がりを食することは、直会(なおらい)と同じ意味があります。お下がりを頂くことで、神様のお力を頂くのと同じ意味があると考えられてきました。

ちょうど同じ15日前後に「おたきあげ」と呼ばれる行事がありますが、鏡開きと同じように、しめ縄や書き初め、門松、古いお札等を焼く火祭りが行われます。これも1月15日の満月の日に行われました。

宮中でも平安時代からお焚き上げが行われていたようです。京都ではどんど焼きと言ってあちこちでありましたが、現在では、神社等で行われています。15日は小正月とも呼ばれ、小豆粥を頂く習慣もあります。旧暦の正月が現在の1月15日となります。一連の正月行事をお楽しみください。

Pocket