祇園祭大政所御旅所の銅葺きの屋根修理が完成

土居好江

大政所の銅葺き修復が完了 (烏丸通仏光寺下ル)

ブルーシートで覆われていた工事中の大政所


『祇園大政所絵図』に描かれた門前茶屋 室町時代『京都庶民生活史』CDI編

  現在の祇園祭の御旅所は四条通り寺町にありますが、秀吉の時代(1591年)に京都都市改造により、仏光寺下った大政所御旅所から移転しました。神幸祭から還幸祭の間、神輿(みこし)が滞在する御旅所は、氏子の町内を廻り八坂神社へ帰ります。

祇園祭後祭の7月24日には三基の御輿が八坂神社へ帰る途中で立ち寄る重要な場所として、知られています。又、宵山の日には露店が立ち並び、多くの方が訪れます。

祇園祭還幸祭大政所御旅所拝礼は7月24日に毎年実施

  還幸祭大政所御旅所拝礼の神事では、還幸祭で中御座神輿・東御座神輿・西御座神輿三御輿が別々のルートを巡行しますが、大政所御旅所(おおまんどころおたびしょ)に立ち寄ります。その風景は圧巻です。山鉾巡行とは異なる趣があります。

この大政所御旅所は明治時代以降の屋根は銅葺きだったそうです。その屋根が明治45年以降、はじめて葺き替えられ、2023年、3月7日に修理が完成し、神様が大政所にお戻りになりました。修理の間は八坂神社へ神様が移動され、やっとお帰りになり神事が行われました。

私は大政所御旅所を烏丸通に面したビルの2階から、毎日、拝見しながら仕事をしております。ちょうど、大政所の西側のビルにおりますので、長い間、青いビニールシートがかけてあったので、心配しておりました。

3月に入り、工事関係者の方々が工事されているのを拝見して、安堵したものです。

八坂坂神社の方に明治時代から銅葺き屋根であることをお聞きして、意外に思いました。銅製の屋根が明治から使われていたことに驚いたものです。

屋根葺き替えが完成した神事の折には、お車から大政所に移動する神様は白い布で覆い隠され、人目に晒されないよう安置されました。(写真参照)こういう光景を初めて拝見して、何か不可思議な気持ちになり、神秘的な体験でした。

ちょうど、大政所の西側のオフィスから、毎日東を向いて仕事をしており、御旅所を拝しておりましたが、貴重な神事を拝見でき、感謝申し上げます。

以上

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