日本一高い宿泊税・京都市の施行 1

土居好江

2025年8月30日撮影

2003年の「訪日ツーリズム元年」から、観光立国が政策に取り入れられた日本、京都も様々な政策を試行錯誤して今日に至っています。京都は洗練された極みのブランド力があり、それは紛れもなく、1074年間都だった歴史と文化の集積です。これらをどうのようにして守り継承するのか、再度、京都のブランド力を再構築する時期にあると私はご提案したいと思います。

観光客の多くの方々は京都のゆったりとした空気を味わい、楽しむことで心も身体も癒されると申されます。その空気を熟成させた歴史と文化、三方を山に囲まれ川が緩やかに流れる京都市を、訪問する海外からの観光客であふれています。京都にあって、他都市に無いものは都の1074年間の歴史と文化です。そのエッセンスが京都には満ち溢れています。

京都市の真ん中に京都御苑があり、今では国民公園として365日24時間、開放されています。入苑料も無料です。環境省の京都御苑管理事務所が管理しています。広大な敷地は砂利で覆われ、コンクリートではなく、自然の土の匂いがする場所でもあります。京都市民はいつもでも身近に訪問することができ、贅沢な時間を過ごすことができます。

 最近はインバウンドの方々も散歩されていて、京都の景観や文化にご関心が集まっていると感じているのです。京都市の洛中に集中する観光客のために、市バスが市民の足から観光客の足に軸足を移している事実を交通局のご努力で、観光特急バスが誕生したものの、市バスの乗客の半分以上がインバウンドの方々だったことが何回もありました。

 バス乗り場、民間の電鉄会社の乗り場でも、日本人より多いインバウンドの乗客の方々、エレベーターで行きかう方々も通勤時に移動の観光客とすれ違います。祇園の四条通のゴミ問題等、信じられない光景も見受けられますが、課題のあることを整理して行政、市民、事業者と協力体制をつくり克服したいものです。

 京都市の宿泊税値上げが総務省からの許可がでて、来年26年3月から施行されることになりました。宿泊税は、平成30年に導入され、観光振興、文化・景観など京都固有の魅力向上のため、市民と観光客双方の満足度を高める取組がされてきました。

 近年、コロナ禍以降の観光需要の回復で観光課題が市民生活に支障をきたすことも多く、市民、観光客も事業者もお互いがウインウインになる方法を探っていきたいものです。

 京都市民には観光での特典があります。「暮らしをと観光をつなぐポータルサイト・Link!Link!Link!」というサイトを拝見すると、京都市民である証明するものを提示すると施設やレストラン等で20%OFFや15%OFF、10%OFFになるサービスがあります。更に市民は無料、半額の特別価格になる場合もありますので、是非チェックなさってください。

https://link.kyoto.travel/special-offer/  

  こういうサービスが京都市にあることを、ご存じない方も多いのではないでしょうか。市バスの乗り残し等、オーバーツーリズムの弊害もありますが、京都市民もこの事態を乗り越えられるように行政や事業者と共に取り組んでいきたいものです。(つづく)

Pocket