冷えた朝に、きつねうどん

土居好江

2024年1月14日につくったきつねうどん 

弘化4年(1847)版
「二千年袖鑒(そでかがみ)」の原了郭店

    

 子どもの頃から、お揚げさん(油揚げ)をのせたきつねうどんが、何故、きつねうどんというのか疑問でした。東京へ行けばたぬきうどんは、天かすをのせたうどんで、真っ黒いお汁に天かすがのって提供された時は驚きました。東京では、天ぷらの中身・タネ抜きというのが、たぬきに変化したようです。京都ではたぬきうどんは、きつねうどんのあんかけです。たぬきそばとはきつねそばのことです。

 きつねうどんのルーツは大阪の老舗うどん店がルーツだそうです。おかずにお揚げさんを炊いたものと蒲鉾を別々に提供していましたが、うどんの上にお揚げさんをのせてお客さんが食したことから始ったそうです。何故、お揚げさんかというと、そこの当主が寿司店で修業をしておいなりさんのお揚げさんがあったからというのです。

 最初は「こんこんさん」と言い、きつねが商売繁盛の象徴なので、「きつねうどん」へと変化していったようです。私はお揚げさんを甘辛く煮て、冷凍して、いつでもきつねうどんを頂けるように準備しています。お出汁も出汁を取って3日間ぐらいで使い切れるように、準備をして寒い冬は良く頂きます。身体が温まります。

 江戸時代は風邪をひくと、おうどん屋さんで暖かいうどんを頂き、漢方薬を飲んで直したそうです。漢方薬はうどん屋さんに置いて販売していました。黒七味はもともとはお薬の役割をしたようです。漢方医の山脇先生の指導で処方した御香煎を一子相伝で、現在も祇園で販売されています。私も長年、黒七味できつねうどんを頂いていて、京都のきつねうどんが大好きですコンパクトなので、お土産に持参します。

以上

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