京都の引力24 抹茶ブームはなぜ起こったのか? 飲む抹茶から食べる抹茶へ
土居好江
![]() 2025年4月2日和ごころ泉 |
![]() 2025年6月21日売茶中村 |
![]() |
2025年の春、あるデパートで日本茶の店頭にインバウンド客が行列して抹茶を買い、他のデパートでは抹茶の在庫がなくなり販売していない表示がありました。 日本人ではなく、海外の方々が抹茶を買い求めていたのです。
娘のイギリス留学時代のホストの方が抹茶好きだったこともあり、日本からよく送りました。毎朝、抹茶を点てて差し上げていたようです。その代わりに冷蔵庫に入っているワインは好きなように飲みなさいと。「世界で一番美味しい飲み物は抹茶」と申されるほどお好きだったとか。
今、世界中で、和食ブームが起こり、日本茶もブームになっています。健康志向もあり、本場宇治の人気店では開店前から行列ができていて20~30分で缶に入った抹茶が売り切れます。急激な人気急上昇で供給が追いつかず、抹茶製造工場を増設しても、抹茶は苗木を植えてから抹茶として提供するまで5年かかります。需要が追いつくのか心配です。東南アジアでも植えられていますが、抹茶の基準が守られるかどうか案じられます。
この抹茶ブームはいつ起きたのでしょうか。世界的には5年ほど前からブームになりつつありましたが、実は今から32年前の1993年にアメリカで和風アイスとして抹茶アイスが販売されました。Maeda- En という日本人が経営する会社です。更に3年後にハーゲンダッツが1996年、GeenTeaのアイスクリームを発売して、一気に人気が広がりました。後味のさっぱりした自然な甘味が世界中で受け入れられたのです。
日本の抹茶人気で、価格は昨年の約2倍に値上がりました。私も昨年から抹茶を多めに買って抹茶を楽しんでいます。しかし、抹茶ブームは、実は茶道という型にはまった飲み物としてではなく、食べ物として、スイーツや団子、アイスクリーム、ソフトクリームへと広がり、ヘルシーブームと共に人気が世界で高まりました。
茶農家が高齢化で減少している中、海外から抹茶の需要が増え、昨年の日本茶の輸出額は364億円と5年間増えています。2013年にフランス・パリでドイツの商社マンご夫妻と一緒に食事をした折、ドイツで日本茶を販売する仕事に転職すると申されていたことを思い出しました。
また、京都の伝統産業活性化の研究会で2007年頃、中村藤吉本店の中村藤吉氏にインタビューをした時、抹茶ソフトクリームを考案する為毎日茶筅を3本をダメにするほど毎日、毎日試作されたご苦労話も思い出しました。先駆者は理解されにくいですが、新しい市場を作り出せば、ブームとなるのですね。
格式の高い茶道からカジュアルな食べる抹茶への広がりが、世界の人々を虜にしたのでしょうか。


