京都の引力22 京都は老舗企業とベンチャーのまち
土居好江
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![]() 京すずめのスタッフが今年開発したパワーデバイスのSEMI対応全自動高スループットのブレーク&スクライブ装置 |
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![]() 京すずめ学校 京都土物語「土を生かした最先端技術 ~伝統と革新、新たな挑戦~」より(京セ本社) |
毎年11月1日は『源氏物語』の執筆が開始された日から千年目の2008年11月1日に「古典の日」と制定されました。以来、毎年、行事が開催されています。今年もご招待を賜り、参加させて頂きました。
主催者を代表してご挨拶された京都文化交流コンベンションビューロー理事長、古典の日推進「古典の日推進委員会」委員長の村田純一会長(村田機械会長)は古典へ想いを馳せてお話されました。
京都のベンチャー企業の会長職を務め、更に巨額な資金を自ら投入されて活動を支えてこられた姿勢に敬意を表したいと思いました。京都のベンチャー企業のトップが古典文学を通して京都の魅力を発信されることに、深い感動を覚えます。京都の魅力は、こういう方々が沢山居られて支えられているのですね。
京都のベンチャー企業は京都人の特性や京都の自然環境が大きく影響して、他府県からの移転者も京都人的に染めてしまいます。多くの方々がベンチャー企業の創設者であり、文化継承の活動も併せて推進されています。
今回で40回目となる京都賞は京セラを創業した稲盛和夫氏の創設です。また永守賞はニデックを創業した永守重信氏が創設しました。堀場雅夫賞は堀場製作所を創業して堀場雅夫氏が創設しました。
京都のベンチャー企業(売上に準じたランキング)
- 1973年 NIDEC CORPORATION(旧 日本電産23年に社名変更)
- 1959年 京セラ株式会社
- 1944年 株式会社村田製作所
- 1933年 オムロン株式会社
- 1889年 任天堂株式会社
- 1958年 ローム株式会社
- 1875年 株式会社島津製作所
- 1943年 株式会社SCREENホールディングス
- 1946年 株式会社ワコールホールディングス
10 1950年ニチコン株式会社
「京都御三家」とも呼ばれ、世界市場で活躍する代表的な製造業は日本電産(ニデック)、京セラ、村田製作所の3社です。これらは
2019年8月、京都府市が「スタートアップ・エコシステム拠点都市」に合意し、国が指定し、自治体や大学、民間企業が連携して起業のための人材育成や環境整備を、国が重点的に支援する制度で、ベンチャーのまち・京都に相応しい環境があります。
京都市内だけでも「京都リサーチパーク」「西陣産業創造會舘」「西陣IT路地」「京大桂ベンチャープラザ」「クリエイション・コア京都御車」など起業支援のインキュベーション施設があります。1997年に発足した「京都市ベンチャー企業目利き委員会」の存在も大きく注目されています。最近では京都府、京都市による(仮称)京都半導体バレー 構想を京都市の南部に検討中です。京都府下には半導体関連の会社と研究施設が多くあります。
最先端企業がわざわざ京都にオフィスを京都に設けて、デザイン部門や企画部門を配置するのは、京都の自然環境と歴史がつくる文化風土があるのでしょう。
以上



