京都の引力 Ⅴ 菖蒲まつり  5月、6月に咲く花・邪気払いの菖蒲

土居好江

2025年5月18日撮影 若宮八幡宮社務所庭園の黄色の菖蒲

 菖蒲の花は5月、から6月にかけて咲きます。毎年、5月に開催される菖蒲まつりが2025年は5月18日に若宮八幡宮で開催されました。気候の良い季節に、私は毎年、参拝するのを楽しみにしています。

 菖蒲は古来から魔除けや厄除けの植物と言われ、不浄を祓い邪気を避けるために用いられてきました。 菖蒲の香りが邪気を払うと信じられていて、現在でも公衆浴場では菖蒲湯の日があります。

 古代中国の邪気払いの行事が端午の節句でした。今から2300年前と伝えられています。邪気を遠ざける薬草が菖蒲でした。軒先に菖蒲をつるしたり、菖蒲湯に入って邪気払いをしていたようです。日本では奈良時代に伝わりました。

 旧暦の5月は現代の6月にあたり、古代中国では雨季に邪気が入るとされていて、日本でも子供の成長を祈る端午の節句の5月5日に、菖蒲を湯舟に入れて、健やかな男子の成長を祈る行事として定着しています。私も何回も菖蒲湯に浸かることがありましたが、何とも言えない清々しい気持ちになりリセットできます。

 旧暦の5月5日は現在の6月にあたり、気候が不順で体調も崩しやすく、平安時代から邪気払いに菖蒲の香りや薬性の効果があると信じられてきました。これが菖蒲の節句祭りのルーツです。

 毎年、若宮八幡宮の菖蒲まつりに参拝をさせて頂き、日本の祭りの奥深さを痛感しています。菖蒲の花の奥深い楽しみ方が一つとってみても、菖蒲湯で楽しんだり、生け花で楽しんだり、香りを楽しんだりと、この季節ならではの楽しみ方かもしれません。

以上

Pocket