京都の引力Ⅵ  天と地に共鳴するコンチキチン 祇園祭の432Hzの鉦、笛、太鼓やお囃子

土居好江

八坂神社西楼門 四条通の西端 撮影2024年7月

 京都の7月と言えば祇園祭。鱧月とも言われる7月の1ヶ月間、祇園祭の行事が続きます。食文化も洛中の雰囲気も祇園祭一色です。毎日通勤で利用する阪急電鉄の烏丸駅では、この時期、祇園祭のお囃子、コンコンチキチンの音が駅のホームで流れて祇園祭を盛り上げます。

  四条通りの東の端にあるのが八坂神社、西の端にあるのが松尾神社です。共に山の神様と海の神様を祀っています。八坂神社のご祭神は素戔嗚尊(すさのをのみこと)、櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)(五穀豊穣の神)、八柱御子神(やはしらのみこがみ)です。京都の中心、四条通りの東西が神様で守られています。

 松尾大社のご祭神は大山咋神(おおやまぐいのかみ)、山の神、農耕の神、そして酒造の神です。そして、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)もお祀りされています。市杵島姫命は、宗像三女神の一柱で、水の神、海上交通の神として知られています

 山と海、天と地に響くように、お囃子が聞こえる祇園祭は、自然との周波数を合わせる存在として、心地良いものです。天に届くように鉦や笛が使われているのです。

 人間は自然の中の一員として共生(ともいき)しているという日本人の考えは、自然の周波数が432Hzであり、風の音、水の音、鳥のさえずりなど自然の音は多くが432Hzです。これは人が幸せになる周波数とも言われていて、この音が身体を癒してくれることをピアニストの辻井伸行さんは、良くご存知です。辻井さんは、スタインウエインの432Hzのピアノしか弾かれないそうです。周波数を感じておられるのでしょう。

 ヨーロッパの初期のクラシックもすべてが432Hzの曲だそうです。特にモーツアルトの曲はピタゴラス音律という、ドレミの起源とのこと、より良い音の追求をしたのが音律で、心を癒してくれます。宇宙の調和の音だそうです。

 平安時代の貞観5年(863)に神泉苑での御霊会の折にも音楽が奏でられた『三代実録』に記載されています。絵図にも「笛鉦太鼓をもって柏て囃す、これを祇園囃と名づく」とあります。祇園囃子が悪霊の鎮魂を担っているのは、この祇園囃子にあるのでしょう。祭礼に音楽はつきもので、太古の時代には天と交信する時、金属音を使ったと言い伝えられています。現在でもチベット密教等でもこの音で天と交信しているらしいのです。

 除夜の鐘も金属音で、お寺によって周波数が少し異なるようですが、日本人の魂に響く音で、心地よい響きを与えてくれます。音響効果について(祇園祭については過去のブログもご参照くださいませ)

以上

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