第六回おくどさんサミットⅡ 「神嘗祭」と「新嘗祭」 「おせちとお雑煮」

土居好江

第六回おくどさんサミット2024年11月10日 山﨑家中庭

 11月23日は祝日で「勤労感謝」の日です。祭日と祝日の違いはご存知でしょうか、明治6年に現在の新暦が制定されました。それ以前は旧暦でした。飛鳥時代から新嘗祭は開催されていましたが、11月23日という日を制定したのは明治6年(1873年)でした。新嘗祭は祭日でしたが、戦後、勤労感謝の日となり、国民の祝日となりました。

 明治時代がスタートした当時は、特に天皇中心の政治を行う目的があり、第2次大戦後には、天皇行事を切り離す形で「勤労感謝の日」に改められています。「勤労感謝の日」は毎年11月23日なので、2024年も11月23日(土・祝)が新嘗祭の日です。旧暦では日にちが異なっていたのです。

 日本の神社では11月23日に新嘗祭(にいなめさい)が行われます。この神事は「神様に今年の実りを感謝する行事」です。『古事記』にも登場する行事です。

 この荷新嘗祭までは、新米は食してはいけないとされていました。この習慣を天皇家では、今でも守っておられるそうです。
 また、神嘗祭(かんなめさい)は伊勢神宮で、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神にお供えして、天の恵みに感謝するお祭りです。平安時代から続いている宮中祭祀で、新嘗祭の1ヶ月前に行われています。

 元来は新嘗祭の約2か月前に行われる祭祀でしたが、1879年明治12年)以降、新暦の採用と月遅れを取り入れて、間隔が約1か月に短縮されることになりました。

 お米の国の歴史が食の中心にある米を大切にしてきたことを、次世代にも伝えて参りたいと思います。正月を控え準備を始める今こそチャンスです。

 年々、お節料理を食する習慣が減ってきていたようですが、2006年の調査でおせち離れがすすんでいるとのことで、紀文という企業がお正月ニッポンプロジェクトを立ち上げ、様々な取り組みを平成の時代からお節料理を正月に用意する家庭が1%づつ増えているとのこと。

 特に近年では、お節料理は買うものという風潮の中で、70品目のおせちを販売する株式会社ジャパネットたかたのおせちが連続2年日本一の売上だったと東京商工リサーチが伝えています。約八割の方がおせちを購入しています。

 もともとおせちの基本は三つ肴(みつざかな)を中心とするものがあり、京都(関西)では黒豆、数の子、叩き牛蒡とされ、関東では黒豆、数の子、五万米(ごまめ・田作り)とされていました。この三つをお餅と共に神様にお供えしたのが始まりです。陰陽五行説で黒豆も牛蒡も魔除けの食品とされ、縁起が良いとされた食品がおせち料理です。

 正月三が日は年神様を迎える為に、家事を休んで用意していたお節料理を頂くというのが、本来の意味でした。おせちと共にお雑煮も頂きます。お雑煮は本来大晦日の夜、年神様をお迎えする為、神様にお供えした鏡餅のお下がりをお雑煮として食すようになった室町時代に、あり合わせの野菜を煮込んでお雑煮として食するようになりました。

 ご利益によって無病息災が得られると考えられて、おせちとお雑煮はお正月の定番となりました。先日、開催いたしました第六回おくどさんサミットのお餅でお雑煮を作りました。とても美味しかったです。

以上

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