創立25年の2026年
2026年には京すずめ創立25年をむかえさせて頂きます。ご支援を賜りましたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
2026 年から2030年にむけて江戸時代に『京雀』という案内記がありました。名所旧跡のご案内とは異なる暮らしの案内記でした。自然に寄り添った暮らしの文化を発信、職人さんの頑固なまでのこだわりを2001年に21世紀に復活させたいと、京すずめを立ち上げて25年になります。この間、現地現場で体感して学び、暮らしの文化を発掘発信して参りました。
「京すずめ」の発信で、人類の未来を明るくする提案型案内記の発刊を念頭に活動を進めてきて、最新の技術と言われるものが、時代をさかのぼると、すでに実践されていたことに気づくことがあります。京すずめは「おくどさんサミット」の開催、「おくどさん未来衆」の拡充、「京都への恋文」の公募事業、「京すずめ学校」の開催、「各種発行物」の発刊を通じて、気づきの視点から京文化を検証し、継承して参りたいと存じます。
『古都』(川端康成)には自然に対する鋭い視点がいくつも描かれています。特に北山中川地区にある菩提の滝の砂のことが書かれています。「菩提の滝」は今から六百年前、山の中で全国を修行していた高僧が、現在の京都市北区北山中川地区の集落で行き倒れになり、村人の懸命な看病で完治し、高僧はその御礼にこの村にある滝を「菩提の滝」と名付けました。「砂には珍しいパワーがあります。この砂で杉丸太を磨けば、必ず、この村は栄えるでしょう」と伝えたのです。
20 世紀になり、菩提の滝の北山磨き丸太の砂を分析した所、砂に含まれている成分には Zr(40 ジルコニウム)、SiO2(水晶)の層もあって Si(14 ケイ素)、SiC(炭化ケイ素)が含まれている鉱床の存在が分かってきました。これらの物質は21 世紀の科学技術で脚光をあびている半導体基板のシリコンウエハを構成する物質です。SiC に至っては、エネルギー革命を起こしつつあるパワーデバイスの SiC ウエハです。かつては砥の粉の発掘場でした。京都のスーパースポットであり、京都ベンチャーのルーツとも言うべき場所が菩提の滝です。
京すずめの最初の行事は2001年10月に行った錦市場発祥の店舗・伊豫又の降り井戸のフィールドワークでした。2019年の第二回おくどさんサミットでも平安時代西暦1000年から使用されている降り井戸を見学したように、食料保存の為の天然の冷蔵庫が地下熱を利用していました。今、デパートの地下食品売り場の冷蔵庫の冷却に、省エネ目的で地中熱を利用する仕組みが提案されているようです。
京すずめの視点からみると、『21世紀版京すずめ』の編集→『京すずめOLD&NOW』『京すずめガイド』文化的観光、教育的観光、文化的遺伝子を活性化させるフィールドワークの実施を定期的に行いたいと考えています。
日本人の持つ「目に見えないものへの畏敬の念」は、山、川、石のすべてに魂が宿ると考えて、八百万の神の精神が目に見えない価値感をカタチづくってきました。物質主義の豊かさから精神性の豊かさへ移行する時代の臨界点が来ています。今までに増して新しい気持ちで頑張って参ります。何卒よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人京すずめ文化観光研究所
理事長 土居好江