猛暑の午後、祇園で
土居好江
2023年7月28日撮影 祇園の郵便ポスト Caféの冷やし善哉
7月の猛暑の午後、祇園に打ち合わせで出かけました。舞妓さんが涼しげに浴衣姿で歩いておられるて、舞妓さんの後姿をほれぼれと眺めておりました。レンタル浴衣で歩く観光客の方は、暑苦しそうですが、舞妓さんはいとも涼しげに見えます。修行の賜物でしょうか。昔、浴衣は家庭内で着るものだったのですが、現在は外出用として着られています。舞妓さんは浴衣姿でも足袋を履き涼しげに歩いておられます。
レンタル浴衣とわかる観光客の方は、スニーカーやサンダル姿の方を多く見受けます。素敵な組み合わせをなさっている方も多くおられます。以前、京すずめでNHKアナウンサーの方に、お話をして頂いた時、西陣の素敵な着物姿でご登場いただきました。男性アナウンサーですが、金襴緞子の特別誂えのスニーカーを履かれていました。出席者のアンケートには、今後の和装興隆のヒントを頂いたというのが、沢山ありました。20年以上も前のことですが、今も鮮明に覚えております。新しい組み合わせは新鮮です。
花見小路を歩いているとインバウンドの方々が沢山歩いておられる光景に驚きました。石畳に京町家の風情が素晴らしく、どれもこれも感動的なのでしょう。大きなお声でお話をされています。
お茶屋さんが経営されているCaféで冷やし善哉を頂きました。美味しい小豆が猛暑を和らげてくれます。京都の夏、今年は特に暑く感じるのは私だけでしょうか。
暑い夏に涼しげに見せる工夫は、おもてなしのプロ・祇園の見せどころです。打ち水もそうですが、京料理には茶筅水というのがあります。一説によると千利休が秀吉を招いた夏の暑い日に、清涼感を出すため、茶筅に水をつけて椀物の蓋などに振りかけたことがルーツとか。現在では、夏だけでなく、みずみずしさを表現しています。おもてなしの気遣いを感じます。
お茶屋さんの2階の窓にかかる簾は日除けの役割と目隠しになって、涼しげに見えます。京町家は夏に風通しが良いようにつくられています。打ち水された石畳や玄関に、花街のおもてなしの品格を感じます。京都には猛暑を凌ぐヒントが沢山あります。
以前、東京から京都へ帰る新幹線で読んだ『世界一のおもてなし』。本を執筆されたが世界一の「クープ・ジョルジュ・バティスト」サービス世界コンクールで優勝して宮崎辰氏で(シャトーレストラン ジュエル・ロブションのプルミエメートル ドテル)は おもてなしの極意は出会いに感謝することから始ると申されていました。
京都のおもてなしは一期一会、出会いに感謝して身体を小さくしてお辞儀をするのが京都流です。世界に通じるおもてなしですね。
以上