第六回おくどさんサミットを11月10日に開催させて頂きました

理事長挨拶

 京都が注目され観光客が増えてまいりまして、京都がどんどんテーマパーク化されています。

 本来の手間ひまかけて作り上げてきた伝統文化、伝統産業や技術など、本来の文化価値を伝えきれず無くなっていくものが多い中で、おくどさんを守ってこられてた皆様と、おくどさんサミットを開催できることを、心より感謝申し上げます。

 会場をお貸し頂きました山﨑家ご当主・山﨑様に心より感謝申し上げます。また、開催にあたりご尽力賜りました未来衆の皆様、炊飯名人こと武本秀明様に心より感謝申し上げます。

 また、アメリカよりメイヤーブラウンのJamie Beaber 様御一行5名様をお迎えしました。ようこそ、お越しくださいました。遠いところ有難う存じます。また京すずめへのご協賛、誠に有難う存じます。

 目利きできる目の肥えた本物を知る人が多い京都でも、衣食住の衣、住の建物、しつらいは、ほとんど西洋文化に代わっています。食の分野は、まだギリギリ日本的なものが遺されており、本日は日本人が大切にしてきたハレの日にお餅を食していたことを踏まえて、昔の餅つきを再現します。お楽しみくださいませ。

 2007年よりおくどさんに付いて取り組んで参りまして17年になります。2009年におくどさん研究会にご参加された中村藤吉さんが、昨年おくどさんを復活されました。おくどさんを復活したいと申されて16年目のことです。こんなうれしいことはありません。

 火を起こし、眺めて暖を取るという行動が人間の遺伝子レベルで喜びを感じるという研究が海外であります。「火は自然と文化とを結びつける媒介のような存在」と人類学者のレヴィ・ストロースは指摘しています。ナマモノが腐るのを、火によって煮炊きし、自然の領域から文化の領域に入っていくと言います。

 火を使い始めてからの人類の脳は、容量が1000㎖以上に大きくなりました。生ものしか食べられなかった人類は、焼く「調理」や煮炊きができることで、栄養が豊富になり、脳の発達も一層進んだと言われています。

 これからの取組の中で、おくどさんの火にまつわる調査研究も進めたいと考えております。

 京都では火種を重要視しますが、長年天皇家で誕生するお子様の産湯は川端

 道喜のおくどさんの火で沸かされました。明治天皇ご誕生の折の産湯の火種も、川端道喜のおくどさんの火で中山邸の井戸水を沸かされています。川端道喜が宮廷に納めていた品に中には、灰がありました。 仁孝天皇崩御の折には計53俵の灰を納めておられています。川端道喜では火の清さを守り通すために、おくどさんで薪や柴以外のもの、例えば紙屑なども燃やさないことで、火の清さを守っていたそうです。この習慣は明治維新まで続きました。

 眼には見えない火の神聖さにも心配りをして京文化の奥深さに驚くばかりです。これからの取組の中で、おくどさんの火にまつわる調査研究も進めたいと考えております。

 本日のサミットで、おくどさん未来衆に山田製油のマネージャーである曽我亮介さんが、新任となりました。よろしくお願い申し上げます。全員で20名となりました。最年少の未来衆の誕生です。

 どうぞ、本日の行事が京都を理解するひと時となりますよう、お楽しみくださいませ。

おくどさん未来衆メンバー一覧リストと式次第を下記に添付しております。

おくどさん未来衆メンバー一覧 2024年度最終版 当日配布用第六回おくどさんサミット式次第最終版

 

以上

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