第三回「京都への恋文」審査結果のお知らせ
第三回「京都への恋文」の審査委員の皆様による結果を報告します。今回、該当する佳作はありませんでした。表彰式は2020年の京すずめ創立20周年行事(20PJ)の中で行います。第一回、第二回の作品も併せた「京都への恋文」小冊子を発行します。
●京都府知事賞 文章:どんどん 氏名:長谷川昌孝(はせがわ まさたか) 住所:神奈川県横浜市 昔、京都では焚火のことを「どんどん」と言った。比叡降しと底冷えのする朝には、藁を焼いてその「どんどん」があちこちで始まった。町内の人が一人二人と集まり「おはようさん!今日も寒おますなー」それぞれ炎を見、炎に手をあてながら談笑。「どんどん」の炎が勢いよく燃え上がる頃、いつの間にか大きな人の輪が出来ていた。 |
●京都市長賞 文章:京都に何があるん 氏名:鎌田吉仁 住所:大阪府枚方市 「京都に何があるん」 私が祖母にたずねると、いつも決まって 「京都にはなぁ、京都があんねん。」 と答えた祖母。朝から清水さんを詣で、週末には大丸へ買い物、初詣は八坂さんから平安神宮。宇治も嵐山も北山も、京都をこよなく愛していた。「いつ行っても顔が違う。せやのに、千年以上前から同じ顔してる。」 そう言う祖母の顔は、いつも笑顔で、あぁ、京都とデートしててんなぁ。 あれから30年。私も、私のお気に入りの京都を見つけた。その空気を感じに、一人つぶやく。 「そうだ、京都に行こう。」 |
●審査委員長賞
文章: 氏名:鈴木邦義 住所:神奈川県横須賀市 千二百年の古都でありながら、古今が『調和』している京都。訪れる人々は皆、その『調和』に魅了されることでしょう。しかし、文化庁の京都移転が決まり、文化観光都市・京都の更なる昇華が期待される一方、近年徐々に『調和の乱れ』も・・・。その懸念は、京都をこよなく愛した川端康成が知己の東山魁夷に「京都が失われない内に描いてください」と言葉からも窺えます。 |
●京都新聞賞
絵手紙 氏名:宮野和子 住所:京都府京都市
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●京すずめ文化観光研究所理事長賞
文章: 氏名:谷口早苗 住所:兵庫県宝塚市 私が子供だった60年前の師走の京都。神棚・仏壇掃除から始まり、畳をあげ、近所一斉の煤払い。そして門掃き。おくどさん。井戸神さんの一年の感謝と年神さんの準備。大小の鏡餅。愛宕さんの護符。玄関両側に根引きの松としめ飾り・・・。思い出すと、懐かしさで一杯になります。四季折々に当たり前に行事があり、それが生活にとけこんでいる京都。その京都を離れて数十年。年を重ねての今~その当たり前にしてきた事が、長い間、地域に根ざし続けてきた事も考えると、一つ一つが私の心の琴線にふれ、涙が滲みます。 |