~五山送り火のその後 消し炭は魔除けやお守りに~

土居好江

毎年、夏の終わりに、五山送り火の消し炭のお守りを頂きます。お手間入りの手作りで、送り火の翌朝8月17日早朝に登山して、消し炭を拾いに行って、炭を乾かしてから作って下さっています。

五山送り火の消し炭がいつ頃から、玄関に飾られたり、お守りとしてひそかにもたれるようになったのか、詳細はわかりません。どなたにお聞きしても、詳細がわかりません。

 

護摩木に名前と病名を書いて送り火で焚くと病気が治るとか、送り火を盃に映して飲むと1年間無病息災で暮らせるとか、茄子に穴をあけてその穴から大文字をのぞくと目が良くなるという言い伝えはあります。

銀閣寺参道のお店などで、現物を見ることができます。送り火の消し炭は厄よけなどの御利益があるとして、半紙にくるんで水引でくくり、戸口などに飾られるのを見かけます。

京都では年末に堀川ごぼうを半紙に包んで、水引を結んでお歳暮にする習慣もあり、この消し炭も半紙に包んでプレゼントすることが、人様の幸せを祈る京都人の配慮かもしれません。

 江戸時代、松の消し炭は民間療法で胃腸薬として使われていました。 最近では、小さい袋に入れて、お守りとして持ち歩く人も増え、小皿に置いて飾る人もいます。

 京都では始末と言ってタオルが薄くなってボロボロになっても糸で刺して雑巾にして、雑巾で使えなくなっても、乾かして油汚れを取るというように、昔からエコな循環型サイクルが暮らしに根付いています。
以上

Pocket