明治天皇のご朝食

 ある日の筆者の朝食

明治天皇は生麩と餡が大好物だったそうで、朝食に麩饅頭とミルクコーヒーを召し上がっていたとお聞きしました。『天皇の食卓』にも紹介されているようですが、原本がなく確認することはできませんでした。 

筆者も餡が大好物で子供の頃からトーストにお善哉の煮詰まったものをのせて食していました。また、我が家にはいつもお饅頭を冷凍して、生菓子が無い時も、いつでも食せるようにしています。

麩饅頭は麩嘉さんが最初に販売されましたが、実は明治天皇ご発案だったそうです。生麩と餡子が好物だった明治天皇は餡子を麩で包むことを望んでおられたのでしょうか。普段は和食を好んで召し上がっていたようです。

 写真の朝食はコーヒー、トマトジュース、麩饅頭、生麩の焼いたん(生麩をフライパンで焼いたもの、京言葉で焼いたものを「やいたん」炊いたものを「たいたん」と言う)、バナナ、アボガト、玉子(エッグコドラ―で煮たもの)ヨーグルトです、

 実は木村屋のアンパンも明治天皇のご発案ではないかという説もあります。明治8年(1875)に水戸藩下屋敷(現在の向島)に行幸された明治天皇の酒種アンパンを献上した銀座木村屋に、天皇皇后のお口にあい、「引き続き納めるように」とのお言葉を賜ったと言い伝えられています。京都の和菓子店に遠慮して、京都以外の行幸の折に献上する作戦だったようです。天皇皇后はたいそうお気に召したということで、アッと言う間にアンパンが日本中を席巻しました。

 麩饅頭は生麩で餡子をつつんであります。写真の麩饅頭の前に生麩を焼いてありますが、麩はお味も薄くて和食に良く合いますが、コーヒーとの相性が良く驚きます。

 江戸時代の京菓子、すはまも現在ではコーヒーとすはまセットで提供する喫茶が人気になっています。緑茶と和菓子の組み合わせも相性がとても良いのですが、コーヒーとも相性が良いというのは、明治天皇に先見の明があったということでしょうか。

以上

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