新年に最初に口にする大福茶と、恵方の方向に毎年向ける恵方社

 土居好江


大福茶 

恵方社

 京都で疫病の流行した天歴5年(951年)に、六波羅蜜寺を開創した空也承認が、観音様にお供えしたお茶を病人に飲ませたところ、快復した方が多くあり、疫病が静まった歴史があります。

 もう千年以上前のことですが、村上天皇が空也上人に習って、毎年元旦にこのお茶を服されるようになりました。当時は王服茶と呼ばれていましたが、皇服茶、大服茶と呼ばれ、時代が進んで縁起の良い字で示す大福茶になりました。

これが京都発祥の大福茶のはじまりです。

これ以来京都では一年の無病息災を願って新年にお屠蘇より最初に口にする飲み物です。初日の出を拝してから、私も煎茶に小梅と昆布、金粉を入れて毎年頂いています。

 京都には、その年の恵方によって向きが変わる恵方社が神泉苑にあります。令和5年の十干は癸卯(みずのとう)で恵方は巳牛の間(南南東)です。その年の歳神様は、この恵方(方角)から我が家へこられるのです、12月31日午後10時30分から歳徳神の恵方にまわして新年を迎えます。毎年、恵方にむいている祠です。

 大福茶も歳神様も年に一度のお出会いですから、この1月に楽しみたいものです。

以上

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