京都のクリスマス・1560年に最初の行事!

土居好江


ホテルオークラ京都ロビーのクリスマスツリー
 
ガラスの中のクリスマスツリーレストランryu no hige 
 

プレート上のクリスマスツリーレストランryu no hige 

 日本でクリスマスが初めて行われたのは、1552年( 天文21 年)に 周防国 山口県 でのミサです。イエズス会の宣教師たちが日本人信徒を招いて行われたイエス・キリストの誕生を祝った「降誕祭」が最初です。

 1549年(天文18年)にイエズス会のフランシスコ・ザビエルによって、伝えられたキリスト教は、わずか数十年で10万人の信者にふくれあがります。京都でも、日本人イエズス会士や、ヴィレラ・ロレンソが将軍足利義輝から布教の許可を得て、京都四条に教会を開設しました。1560年頃(永禄年間)京都にキリシタンら100余名が集まり盛大な降誕祭を行った記録が残っています。これが京都で初めてのクリスマス行事です。

1587年(天正15年)に秀吉によるバテレン追放令は、その布教に打撃をあたえました。京都でもおおよそ、7千人のキリシタンが誕生していたと言われていますが、1617年に幕府がキリスト教禁止令を発令し、これ以降、明治維新まで、クリスマスは日本の歴史から姿を消してしまいます。明治時代に入ると、キリシタン放還令で、クリスマスが解禁となりました。 

 クリスマスに食されるケーキは、1549年(天文18年)ポルトガル船が種子島に漂着したことがきっかけで、カステラが日本にもたらされ、それがケーキのルーツです。明治に入ると、南蛮菓子から西洋菓子へと大きく変化していきます。日本で最初のショートケーキは、大正11年(1922年)、不二家の創業者『藤井林右衛門』によって販売され、日本人に食べやすいように、スポンジケーキに改良されたものでした。

 1900年(明治33年)に銀座に明治屋が出店して、クリスマス商品を販売し、明治27年に店頭に大きなクリスマスツリーを飾ったことが、日本でも受け入れられて、そこからクリスマス商戦が始まったようです。

 コロナ禍でクリスマス商戦を自粛していたレストランも観光地も、多くの観光客でにぎわっています。私も久しぶりにクリスマスの食事を、ゆっくりと楽しみました。
以上

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