夏の思い出・アマン京都

 今年8月にアマン京都にお伺いしました。構想から20年かけてやっと昨年の秋に開業したホテルです。森の中に建つアマン京都のコンセプトは自然に溶け込むように建つホテルでしょうか。広い敷地全体が森のように山麓に建っています。敷地は2万4000㎡。森を含めた敷地総面積は約32万㎡(甲子園球場8ケ分)です。まさに自然の音や風、光、香等が溶け込んで五感がまろやかになるのを感じます。これは自然からのプレゼントなのでしょうか。

 アマン京都は通常なら宿泊客しかレストランを利用することはできませんが、コロナ騒動でインバウンドが期待できない状況になり、宿泊客以外の者にも利用させて頂きくことができました。

 鷹峯の山麓に建つアマンの敷地は、前所有者が織物美術館を建設する予定だったそうで、苔むした庭園がとても美しく感動しました。おもてなしもさすがにアマン流でした。スタッフの気遣いのあるおもてなしと、私が感動したのは、京都の土地柄を理解し、地元京都産の京野菜や、調味料を使っておられることで、食事もとても美味しく京風味で、味に厳しい人の口にもあうと思いました。バターの入れ物が御猪口に入って提供されて、発想の意外さがマッチしています。お見事というしかありません。

 京都にある外資系のホテルの中でも、器の使い方、インテリアに和紙を使った間接聡明の美がトータルで完成されていたことです。ともすれば西陣織の壁だけがクローズアップされたり、一部分だけが「ザ・キョウト」と象徴されることが多いのですが、控えめに存在感を放つオーラによって、山麓に溶け込むように心と身体が癒されるのです。これこそ、京都そのものの、「そこに居るだけで、心が豊かになりエネルギーに変わるまち・京都」そのものでした。外出を自粛していた夏の思い出です。

以上

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