京都御所特別拝観にて

御常御殿の井戸ふたつ

毎年、京都御所の特別拝観を楽しみにお伺いしております。今回は宮廷文化の職人技を拝見させて頂きました。御学問所の襖絵、や字指し(じさし)、牛車等を最終日に楽しませて頂きました。

コロナ禍であるということで、朝9時に参りましたが参観者もまばらで、本当に贅沢な拝観となりました。  

昨年の拝観の折には、宮内庁の職員の方のご案内がございましたが、今年は、各自で拝観するようになっていました。清所門(せいしょもん)から入り、一巡するコースです。砂利道も心地良く全体の雰囲気がタイムスリップしたように感じます。普段はコンクリートの道を歩いているので、砂利や土の道はとても新鮮に感じます。

今回は御常御殿(おつねごてん)の井戸をご紹介します。名の無い普通の井戸ですが、歴代の天皇家が普段使われた井戸であるということで、とても興味のある井戸でした。

御所の中には有名な井戸が三つあります。佑井(さちのい)、縣井(あがたい)、染殿井(そめどのい)の三つです。一つは明治天皇がご生誕の折の産屋の井戸で、今出川通から入ってスグの所に平屋の小さなお屋敷があります。そこで明治天皇がご誕生になり、産湯に使われた佑井(さちのい)があります。火種は粽司の川端道喜さんのおくどさん(竈)の火が中山邸に運ばれ、産湯を沸かされました。

いつでも、柵の外からではありますが、ご覧になれます。京都御苑は24時間、365日、オープンしています。写真を添付していますので、是非、実際の井戸もご覧ください。つづきは次号をお楽しみください。

佑井(さちのい)の標識

明治天皇の産家

佑井(さちのい)

縣井(あがたい)

染殿井(そめどのい)

以上

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